スケートボードと女の子

24時間でコンテンツが消えるストーリー機能で人気を獲得したスナップチャットは、Snap社が提供するソーシャルメディア。他のプラットフォームとの差別化がうけてじわじわとユーザー数が増加しています。

前述したストーリー機能に加えて、スナップチャットの特徴的な人気機能が顔に犬やバンビのフィルターをかけるレンズ機能。他の大手ソーシャルメディアが似たような機能を導入するほど、新しい発想で人気のある機能を提供してきました。

自撮り女性

今までになかった新しい機能を提供しているSnap社ですが、2016年の後半にウェアラブルカメラを発表したことが話題になりました。このカメラ機能つきのサングラスは「Spectacles」という製品名で、サングラスの横に着いたカメラで10秒の動画を撮影します。

サングラスをかけて撮影することで今まで片手に何かがあった状態でしたが、動画撮影中は撮影者の両手は何も持たない状態になります。これによって新しい動画の見せ方が可能になり、ユーザーに提供できる体験の幅が拡大。新しいアプローチ方法が増えていくことが予測できます。

以前までSpectaclesはアメリカで特殊な方法でしか購入できませんでしたが、2017年2月にオンライン販売を開始。購入方法の特殊さから、少し前までSpectaclesを使ったコンテンツ作成はあまり現実的ではありませんでした。しかし今回オンライン販売が開始したことで、Spectaclesで撮影したコンテンツが増えるかもしれません。

今回の記事ではSpectaclesの基本情報と購入方法、使用方法、マーケティングに取り入れている事例をまとめて紹介します。

Spectaclesの概要

Spectaclesは、実際に身につけることができるサングラスにカメラが付いたウェアラブルデバイスです。グラス部分の両脇にカメラがついていて、ワンタッチで撮影可能。目で見たままの映像をコンテンツにできるので、片手に持ったカメラで撮影するよりもより迫力のある映像を提供できます。

このサングラスが得意なのは体験型のコンテンツです。実際に撮影者が体験したことを、臨場感ある映像でユーザーに届けます。
例えばゴールキーパーがSpectaclesをかけて撮影をすると、ボールがこちらに向かって飛んでくる迫力のある映像が撮影可能。芸能人のインタビュー映像なら、会話や握手までまるで視聴者がレポーターになっているかのような体験をシェアできます。

最近はVRやライブ配信の台頭で、没入感やリアルタイムを通した生の体験を提供する動きが盛んになっています。撮影者視点のコンテンツは、リアルな体験を提供できる新しいアプローチになるのではないでしょうか。

またSpectaclesで撮影した動画はすぐにスナップチャットで共有できます。動画をスマホに保存できるので、InstagramやFacebookといったスナップチャット以外のプラットフォームに投稿できるのも嬉しいポイント。様々なソーシャルメディアで撮影者視点のユニークなコンテンツを共有できます。

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出典 : Spectacles:https://www.spectacles.com/

動画の撮影方法では、縦で撮影するか横で撮影するかという問題が常に付きまとっていました。動画を見るプラットフォームやユーザーの習慣によって、縦長の動画と横長の動画どちらが快適に閲覧できるか考えなければならなかったためです。

難しい問題ですが、Spectaclesで撮影した動画はこの問題を解消してくれます。Spectaclesは画角115度の魚眼レンズを内蔵していて、全周撮影に対応しています。スナップチャットで共有した動画のみ適応されますが、この機能のおかげで縦に動かしても横に動かしても動画の向きは変わりません。いつでも画面いっぱいの動画を楽しめるのです。

Spectaclesは2013年にGoogleがテスターや開発者に販売した「Google Glass」と比べられることがあります。Google Glassはインターネットとコンピューターに接続できる小型のウェアラブルコンピューター。使用できる機能はSpectaclesと全く異なりますが、見た目や電子機器に接続できる点で類似する箇所はあります。

Google Glassが約15万円したことに対してSpectaclesは機能をしぼって2万円以内で提供されています。公式でもSpectaclesは「おもちゃ」と表現されているように、手軽に楽しむことを想定して作られています。Google Glassは開発停止になっていますが、Spectaclesは購入・使用の手軽さから多くの人の手に渡るのではないでしょうか。

Spectaclesの購入方法

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出典 : @Spectacles(Twitter):https://twitter.com/Spectacles/status/796717999856070656

最初にSpectaclesが販売されたのは2016年秋。発売方法は今までにないユニークなものでした。

発売当時Spectaclesは専用自販機「Snapbot」で購入でき、Snapbot自体も毎日販売場所を移動する移動型販売という形のみをとっていました。神出鬼没の自販機が出没するエリアは、公式サイトで前日に確認できます。Snapbotは今のところ米国のみを移動していて、購入できる消費者がかなり限定されていました。

しかし2017年2月に入って、Snap社はアメリカでSpectaclesのオンライン販売を開始します。価格は129.99ドル(約1万5000円)で、カラーはコーラル、ブラック、ティールの3色です。今のところ発送はアメリカ国内のみですが、発送地域の拡大や輸入版の販売もありそうです。
出典 : Spectacles:https://www.spectacles.com/

Spectaclesの使用方法

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出典 : Spectacles:https://www.spectacles.com/

SpectaclesはBluetoothかWi-Fi Direct機能を備えるスマートホンなどモバイル機器とペアリングして使用します。ペアリングが完了したら、サングラスの左側にあるボタンを押して撮影開始。LEDが光っていれば撮影中のサインです。撮影時間は10秒なので、撮影時間内に収まる内容を考えて撮影しましょう。

Spectaclesを取り入れたマーケティング事例

Spectaclesを取り入れている企業は、どのように同製品をマーケティングに活用しているのでしょうか。実際にSpectaclesが販売されているアメリカで行われたマーケティング事例を紹介します。

【事例1】Hyatt Hotels

Hyatt Hotels(ハイアットホテル)は世界中にホテルを構える国際的なホテルグループ。ホテルの魅力を伝えるためにSpectaclesで撮影したホテル体験動画を作成しました。

この動画ではHyatt Hotelsが所有する世界中のホテルを舞台に撮影されます。旅行者の視点でホテルの受付、室内、レストランと様々な場所でSpectaclesをかけて撮影。レストランの食事を楽しむ様子や、従業員と交流する場面をすべて自分の視点で楽しめるので、そこにいるかのような感覚を視聴者に与えました。

この動画の素晴らしい点は視聴者に特別な体験を与えたことだけではなく、Hyatt Hotelsで働く従業員をフィーチャーしたところ。従業員をフィーチャーすることは、企業と従業員の絆強化に貢献しました。
動画はホテル利用者視点で進むため、画面に映るのはほとんどホテル従業員です。ホテルを利用するとどのようなサービスが受けられるのか、従業員がどういった対応をとってくれるのか、分かりやすく追体験できました。
出典 : Digiday:https://digiday.com/marketing/5-brands-including-hyatt-grubhub-using-snapchat-spectacles/

【事例2】The Sour Patch Kids

酸味があるグミのお菓子「Sour Patch Kids」のスナップチャットアカウントでは、Spectaclesで撮影したクッキング動画が投稿されました。クッキング動画は人気のあるコンテンツの1つ。多くの企業が挑戦していますが、Spectaclesを活用することで違う楽しみ方ができると証明しました。

普通のクッキング動画は料理をしている人をメインで映したものや、頭上から手元だけ写したものが多いかと思います。Sour Patch Kidsが投稿したクッキング動画は、調理者視点で撮影されているため調理中の躍動感が直接伝わってきます。まるで料理をしているかのような感覚はとても新しい印象です。他の出演者とのコメディちっくなやり取りも臨場感があってさらに興味深いものになっています。

さらにこの動画で注目したいのは、文字やスタンプを豊富に使用していること。Spectaclesで撮影した動画に文字を入れると、どのように表示されるか良い例になります。画面が左右に揺れるたびくるくると文字も揺れて、動きのある面白い仕上がりです。新しいコンテンツを求めているユーザーの刺激になりそうですね。
出典 : Curalate:https://www.curalate.com/blog/snapchat-spectacles-marketing/

【事例3】Esquire Network

アメリカのテレビ番組ネットワーク「Esquire Network」は、Spectaclesで撮影したドライブ動画を投稿しました。

車に車内カメラを取り付けてドライブしている様子を撮影した動画は一定の人気がありますが、この動画は同じような要領でバイクのドライバーがSpectaclesをかけてドライブしている様子を撮影した動画です。

この動画ではバイクが道路を爆走している様子を迫力たっぷりに映します。さらに動画の最後には「Wrench Against the Machine」というバイクのリアリティ番組の宣伝が入りました。

バイクでドライブしている様子を最後まで見ているのは、かなりの確率でバイクに興味があるユーザーです。ドライブ動画を楽しんでもらうだけではなく、ターゲット層にパーソナライズした番組の宣伝にも成功しました。

スナップチャットは短い動画をたくさん楽しむプラットフォームのため、興味がない動画だと分かったらすぐにタップして次の動画に進むユーザーが多いです。Esquire Networkのようにこの傾向を利用することで、的確なターゲット層にアプローチすることができます。動画を最後まで視聴してくれるターゲット層を考えてコンテンツの構成を練り、最後に宣伝を入れましょう。

こういったドライブ動画は車なら撮りやすかったのですが、運転席がむき出しのバイクで撮影するのは簡単ではありませんでした。しかしSpectaclesを利用することで、あらゆるマシンに応用が効きます。例えばスケートボードやローラースケートでも手放しで撮影できるので、Spectaclesが重宝されそうです。
出典 : Curalate:https://www.curalate.com/blog/snapchat-spectacles-marketing/

【事例4】VaynerMedia

VaynerMediaはSpectaclesを使って新しいマネキンチャレンジの見せ方を提案しました。

多くの企業やメディアで取り組まれているマネキンチャレンジは、カメラを手にもって撮影しても十分な迫力があります。しかしVaynerMediaの撮影した動画では、Spectaclesとマネキンチャレンジの相性の良さが画面を通して伝わってきました。

カメラ付きサングラスを身につけて歩くことで、カメラでは入り込めない視点を写すことができます。人が2人並んで座っている間にカメラを滑り込ませて、左右の人を観察するという行為はSpectaclesならではの視点ではないでしょうか。

また着ぐるみを被った男性の被り物をとってしまう場面がありますが、これは両手がふさがっていないためなせる技です。
実際にカメラを持って撮影したものと、Spectaclesを身につけて撮影したものでは臨場感がかなり違います。Spectaclesで体験できる一体感は、こういった体験型のコンテンツにぴったりです。
出典 : Curalate:https://www.curalate.com/blog/snapchat-spectacles-marketing/</cite>

【事例5】space150

新作パソコンやスマホなどの開封動画が多数アップロードされていますが、space150はSpectaclesの開封動画をアップロードしました。

この開封動画の面白いところは、Spectaclesで撮影した動画を使って使用感を伝えたところ。開封の儀から付属品の紹介、Spectaclesの使用感を短い再生時間の中でテンポよく映像を使って伝えています。

この動画はSpectacles自体の使用感を伝えるものでしたが、Spectaclesを使って他製品の使用感を伝えるのもおすすめです。実際に使用者目線で撮影できるので、使用している感覚がイメージしやすい動画になります。Spectaclesは、ユーザーの反応を引き出しやすいコンテンツの作成に役立ちそうです。
出典 : Adweek:http://www.adweek.com/digital/heres-how-6-marketers-are-using-snap-incs-spectacles-174599/

【事例6】L’Oréal Paris

コスメブランドのL’Oréal Parisは、Spectaclesを使用してゴールデングローブ賞の様子を視聴者に届けました。

このときL’Oréal Parisはスマートホンで写真撮影をして、Spectaclesで動画を撮るという作戦を決行します。Spectaclesで動画撮影をするメリットは全周撮影ができることです。様々な角度で動画を視聴できるので、視聴者により迫力のある映像を届けることができます。

その場にいけない視聴者にとって、Spectaclesを通してイベントに参加しているような感覚を体験できることは貴重です。よりリアルな感覚を共有する方法として、Spectaclesが活躍すると予測できます。

またイベントやショーなど多くの人が行きかう中で、撮影やインタビュー、会話を一度にするのは一苦労です。Spectaclesはワンタップで撮影でき、両手が空くので慌ただしいイベントには打ってつけでした。

最近ではCESといったイベントの生中継のライブ配信で、インフルエンサーをリポーターにすることが頻繁に行われました。イベントでインフルエンサーにSpectaclesを着用してもらい、コンテンツを届けるという方法も今後増えてくるかもしれません。
出典 : mediakix:http://mediakix.com/2017/03/how-brands-are-marketing-with-snapchat-spectacles/#gs.sdCTcJs

まとめ

スマートフォン持つ女性
Spectaclesは臨場感のある体験を届けるアプローチ方法として活躍します。今まで届けることが難しかったコンテンツも、Spectaclesによって視聴者に届けやすくなりそうです。

今は公式でSpectaclesの発送に対応しているのはアメリカ国内だけですが、徐々に発送地域が広がっていくのではないでしょうか。またSpectaclesの人気がより高くなれば、類似製品の登場も期待できます。

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